プレゼンの土壌作りに必要なSCQ
SCQってフレームワークをご存知でしょうか?
プレゼンを行う際に意識をしておくと、
効果的な考え方なのでご紹介をさせていただきます。
- うまくいくプレゼンとそうでないプレゼン
- 主張の納得を形づくるものは何か
- 第1の壁を乗り越えるためのSCQ
- 状況提示(Situation)
- 複雑化(Complication)
- 問いかけ(Question)
- 例えばこういうこと
- まとめ
うまくいくプレゼンとそうでないプレゼン
ってありますよね。
もちろん、提案内容の良し悪し・・ということもあると思いますが、
もう一つ、要素として大きいのが、
提案相手と、
「問題意識をきちんと共有できていたか」
ということだと思います。
なぜその提案が必要なのか。
今、何が問題なのか。
この提案は何を解決してくれるのか。
このあたりをきちんと提示して、納得をしてもらえないと、
そもそも話を聞いてもらえない
という事態に陥ります。
主張の納得を形づくるものは何か
自己啓発本が流行し、
「ロジカルシンキング」などの言葉が一般化していることに伴って、
説得のためにともかく主張に根拠を持たせよう!という流れが強くなっています。
図解するとこんな感じですね。
そこには、
主張に明確な根拠があれば、必ず納得してもらえるはず・・
という暗黙の前提があると思うのですが、
実はその前にもう2つ、
乗り越えておかなければならない壁があります。
具体的には下記です。
【第1の壁】問題意識を持ってもらう(聞く気になってもらう)
【第2の壁】主張に興味を持ってもらう
【第3の壁】根拠に納得してもらう
根拠に納得してもらう・・というのは実は、
話を聞いてもらったあとでの最後の壁です。
まず、
【第2の壁】主張に興味を持ってもらう
を乗り越えるために主張自体の独創性や
プレゼンテーションの技巧が必要です。
そして、それ以上に大きいのが、
【第1の壁】問題意識を持ってもらう(聞く気になってもらう)
です。これを乗り越えないことにはスタートラインにすら立てません。そしてそのために、どうにかして聞き手の問題意識を醸成する必要があります。
第1の壁を乗り越えるためのSCQ
問題意識を醸成するためのシンプルなフレームワークにSCQというものがあります。
ご存知でしょうか?不朽の名著と言われる
考える技術・書く技術―問題解決力を伸ばすピラミッド原則 | バーバラ ミント | 本 | Amazon.co.jp
で紹介されて以来、一般浸透の進んだフレームワークです。
SCQを制するものはロジカルシンキングを制する・・という記事もあるくらい、
重要な考え方で、下記のように考える方もいます。
私自身が経営コンサルタントの仕事を経験する中で、この技術の重要性を強く感じているからです。
SCQを制するものはロジカルシンキングを制すると言っても過言ではないと思っています。
実際、私自身が経営コンサルタントになりたての頃、先輩から何度も「SCQを明確にしろ」と耳にタコができるくらいに言われたことを思い出します。
SCQを使えるようになると、間違いなく相手に自分の話に集中してもらえるようになります。
そして自分の話に強い興味を持ってもらえるようになります。
前置きはここまでとして、
具体的に説明してみます。
SCQとはすなわち、
状況提示(Situation)
複雑化(Complication)
問いかけ(Question)
の3つで構成されます。順に解説すると、
状況提示(Situation)
シチュエーション。読んで字のごとく、自明で確実な状況を提示します。
ここではともかく聞き手に「そうだよね」と合意をしてもらうことを目的とします。
明らかなことをなぜ言うのか?と思うかもしれませんが、
一回頷いてもらうと、それだけで後の話も聞いてもらいやすくなります。
心の距離が少し近づくようなイメージです。
また、これは当然の話ですが、
話の前提が話し手と聞き手の間で共有され、誤解も無くなります。
いわゆる「予見の整理」などと言われるものはここに該当するかんじですね。
EX)「ご存知のように○○ですよね」
複雑化(Complication)
複雑化というと少し難しく聞こえるかもしれませんが案外単純で、先ほど合意した状況を少し変化(複雑化)させます。
聞き手に状況が変わっていることを認識させること。そして「確かにそうかもね、変わってきているね」と思わせることが目的です。
状況の中の一部に焦点を当てるようなイメージです。
EX)「しかしそんな中○○ですよね」
問いかけ(Question)
変化した状況の中に疑問を投げかけます。
聞き手に問いかけて「確かにこれは気になるな」「なんでそうなっているんだろう」と相手に思ってもらうことが目的です。ここで話への関心を一気に向くようにします。
EX)「したがって○○を検討する必要があるのではないでしょうか?」「そこで必要なのはなんでしょうか?」
例えばこういうこと
以下のリンクの8~10にSCQを使った構成の例が載っています。
SCQの基礎的な考え方も漫画仕立てで分かりやすくまとまっているので
併せてお読みいただくと理解が深まるかもしれません。
まとめ
問題意識が生まれないと、主張を聞く耳すら持ってもらえません。
なので、状況を提示し、それを変化させ、焦点をあて、問いを投げかけ、
問題意識を持ってもらえるようにしなければならないということでした。
そしてそのためのフレームワークがSCQ・・というわけですね。
単純ですが奥深い考え方で、巷のビジネス書ではあまり紹介されていることが
多くないため共有をさせていただきました。
最後に以下のリンクの引用で〆させて頂きます。
ピラミッドストラクチャー Lesson9 | ロジカルシンキングの部屋
よく何かを伝えた後に聞き手から、「その前にこのことについて説明してよ。」なんて言われている人を見たことはありませんか?
これは典型的なSCQでの整理が足りていないパターンなんですね。
SCQで状況→複雑化→疑問を整理することで相手の疑問が見えてくるはずです。相手の疑問をつかめば、そこからはピラミッドストラクチャーを使ってあなたの世界にどんどん引き込んでいくことができるでしょう。
経営コンサルタントの卵は常に「SCQを明確にしろ。」、「SCQが整理できていないぞ。」と口すっぱく言われます。
なぜなら、経営コンサルタントはクライアントにわかりやすく施策の説明を行う必要があり、その際にSCQの意義を強く感じているからなんですね。